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・Roborock(ロボロック)ってよく見るけど「どこの国のメーカー?」と気になっている
・ルンバだけじゃなく、RoborockやECOVACSなど中国メーカー製ロボット掃除機も比較したい
・「中国メーカーだけど、情報抜かれたりしない?危険じゃない?」と不安がある
・カメラ付き・マッピング機能付きのロボット掃除機で、プライバシーや情報漏洩が心配
・Xiaomi(シャオミ)との関係や、上場している“ちゃんとした会社”なのか知りたい
・アプリ連携やクラウド接続の安全性、データの扱いを大まかに理解しておきたい
結論から言うと──
Roborock(Beijing Roborock Technology Co., Ltd./北京石頭世紀科技股份有限公司)は、中国・北京市発のロボット掃除機メーカーです。
2014年に北京で設立された比較的新しい会社ですが、中国・上海証券取引所の科創板(STAR Market)に上場している企業で、日本を含む世界各国でロボット掃除機・床拭きロボット・コードレス掃除機などを展開しています。
立ち位置としては、
・初期はXiaomi(シャオミ)からの出資・支援を受けて成長した、中国発スマート家電メーカーの一つ
・現在は自社ブランド「Roborock」で、ミドル〜ハイエンド帯のロボット掃除機市場をリードする存在
・Apple Home/Matter対応など、グローバルのスマートホーム規格にも対応を広げている
という感じで、いわゆる「聞いたこともない激安ノーブランド」とは立ち位置がかなり違います。
一方で、
・本社は中国(北京)で、サーバーやデータの取り扱いも中国本社を含むグループ会社が関わる
・プライバシーポリシーやデータ移転の内容をめぐって、韓国や欧州などで“個人情報の扱い”への懸念が報じられている
・カメラ付きモデルやマイク付きモデルでは、「家の中が撮影・収集されるのでは?」というユーザーの不安も根強い
といった、「ちょっと気になるポイント」も確かにあります。
ただしRoborock側も、
・Tuyaクラウドで指摘された脆弱性に対して、ライブラリ更新とOTAアップデートで対応したことを公表している
・2023年には「Vulnerability Disclosure Policy(脆弱性公開ポリシー)」を策定し、研究者からの報告窓口や対応方針を明文化している
・2025年時点のアプリ向けプライバシーポリシーでも、収集データの種類やユーザーの権利についてはそれなりに詳しく説明している
など、「問題がゼロではないが、完全放置しているわけでもない」というのが現実に近いです。
そこで本記事のスタンスはこんな感じです。
・「掃除性能・自動化・コスパ」を重視して、ある程度は中国メーカーとも付き合いたい人
・カメラ付きモデルを選ぶなら、プライバシー設定やネットワークの分離を自分でちゃんとやる人
・「絶対に中国製はイヤ」という人は、iRobot(ルンバ)や国内メーカーも含めて検討
という整理で、自分がどこまで許容できるかを考える材料にしてもらえればと思います。
ロボット掃除機は非常に便利な家電です。
自分が掃除しなくても勝手に部屋をきれいにしてくれるので、購入を検討している方も多いのではないでしょうか?
いざ購入しようとして色々調べていると、Roborock(ロボロック)という、聞き慣れないロボット掃除機メーカーを見つけます。
調べてみると「中国のメーカーらしい」と分かり、
そんな疑問を持つ方も多いはず。
そんなあなたに向けて今回は、
- Roborockってどこの国の会社?Xiaomiとの関係は?
- 上場している“ちゃんとした会社”なのか、事業規模はどれくらいか
- ロボット掃除機としての特徴・掃除性能・壊れやすさ
- カメラ・マイク付きモデルの「危険性」や「情報漏洩リスク」
- どんな人に向いているか/向いていないか
を、まとめていきます。
▶ 会社概要:Roborockってどこの国のメーカー?を先に見たい方はこちら
▶ Roborock製品の特徴・掃除性能・壊れやすさを先に見たい方はこちら
▶ Roborockは危険?情報漏洩やプライバシーが気になる方はこちら
▶ Roborockを選んでいい人/やめた方がいい人はこちら
▶ まとめ:Roborockってどこの国?怪しいメーカーなのか知りたい方はこちら
本日の目次がこちら(クリックorタップでジャンプ)
目次
会社概要:Roborockってどこの国のメーカー?
【会社名】 :Beijing Roborock Technology Co., Ltd.(北京石頭世紀科技股份有限公司)
【設立】 :2014年(中国・北京で創業)
【本社所在地】:中華人民共和国 北京市(北京本社+上海・深圳などにR&D拠点)
【上場市場】:上海証券取引所 科創板(STAR Market)・証券コード 688169
【創業者】 :Chang Jing(チャン・ジン/張井)
【主要株主】:創業者のChang Jingと、Xiaomi系の投資ファンド(Shunwei Capitalなど)が大株主の一角
【主な製品】:ロボット掃除機/ロボットモップ/コードレス掃除機/床洗浄機/ロボット芝刈り機 など
【事業規模】:売上高は直近数年で数十億元規模、従業員数も3,000人超と言われるグローバルメーカー
【生産拠点】:中国を中心とした複数の工場で製造し、世界各国に出荷(詳細はモデルごとに異なる)
Roborockは「中国・北京生まれのロボット掃除機メーカー」で、中国企業の中でも“ちゃんと上場していて規模もあるスマート家電メーカー”というポジションです。
初期はXiaomiのエコシステム企業として、Mi Homeブランドのロボット掃除機をOEM供給していた時期もあり、その中で培った技術をもとに「Roborock」ブランドで世界展開してきた流れがあります。
・会社としては → 中国(北京)本社のメーカー
・資本としては → Xiaomi系ファンドを含む中国資本が中心の上場企業
・販売としては → 中国発だけど、欧米・日本など世界中で販売されているグローバルブランド
というのが、いちばん正確な答えになります。
Roborock製品の特徴(“掃除性能&使い勝手”の話)
Roborockは、いわゆる「家電全般メーカー」ではなく、「ロボット掃除機・床掃除に特化したブランド」です。
ここでは、よく話題になるポイントをざっくりまとめます。
特徴①:マッピング・自動化のレベルが高い“高機能ロボット掃除機”
Roborockの大きな特徴は、
- LiDAR(レーザー)やカメラを使った高精度マッピング
- アプリから部屋ごと・ゾーンごとの掃除指定がしやすいUI
- ごみ収集・水拭き・タンク洗浄など「全部入り」オールインワン基地のモデルが多い
といった“自動化・賢さ”に振った設計です。
特に近年は、
- 物体認識AI(ReactiveAIやその後継)で、ケーブルや靴下などの障害物を避けてくれる
- CES 2025ではロボットアーム付きモデル「Saros Z70」を発表し、床の物を拾って片づけるコンセプトまで出してきた
など、「ただのロボット掃除機」から一歩進んだ製品も出しています。
特徴②:価格はミドル〜ハイエンド寄り、“性能にお金をかける”人向け
価格帯としてはざっくり、
激安ノーブランド < Anker/ECOVACS < Roborock(Qシリーズ〜Sシリーズ) < ルンバ最上位+国内メーカー上位
くらいのことが多く、Roborockは中〜ハイエンド寄りに位置することが多いです。
特徴③:Apple HomeやMatter対応など、スマートホームとの連携も強い
ロボット掃除機単体だけでなく、スマートホーム連携も強化されています。
- AppleのMatter対応ロボット掃除機としてアップデート対象になっており、Apple Homeアプリから操作できるモデルも増加中
- Google HomeやAlexaとの連携、シーン自動化なども対応
「スマートホーム全体の一員としてロボット掃除機を組み込みたい」人には、かなり扱いやすいブランドです。
壊れやすさ・品質に関するざっくり傾向
海外レビューや掲示板などを眺めた印象としては、だいたいこんな感じ。
・吸引力やマッピング精度、段差乗り越え性能に満足している声が多い
・タンク・ブラシ・ゴム部品などは、消耗品として定期交換が前提
・水回り(モップ・配管まわり)は、サボるとカビ・ニオイ・詰まり系のトラブルが出やすい
・ドック一体型の上位モデルは、「便利だけど高い・サイズ大きめ」という評価も目立つ
Roborockは怪しい?危険?と言われる理由(プライバシー・情報漏洩)
ここが一番モヤモヤするポイントだと思うので、事実ベースで丁寧に整理していきます。
結論から言うと、「Roborockだから特別危険」というより、“中国本社のIoTメーカー”としての一般的な懸念+ロボット掃除機特有のプライバシーリスクがセットになっている、というイメージが近いです。
ロボット掃除機そのものが持つプライバシーリスク
Roborockに限らず、ロボット掃除機は以下のような情報を扱います。
- 部屋の間取り・家具配置(マッピングデータ)
- Wi-Fi情報や接続先クラウド
- 一部モデルでは、カメラ映像・音声(障害物検知や見守り機能)
これらがクラウド経由でメーカーのサーバーに送られる設計の場合、「どの程度の情報が、どの国のサーバーで、どれくらい保存されるのか」がポイントになります。
Roborockのプライバシーポリシーと、各国での懸念
Roborockは、2025年時点でグローバル向けのアプリプライバシーポリシーを公開しており、どのような個人情報を収集し、どの国・地域に転送するか等についてある程度説明しています。
一方で、韓国などでは、
- 中国本社を含むグループ会社にユーザーデータが共有されうる点
- 監視国家である中国へのデータ移転そのものへの不安
から、「データが中国政府に渡るのではないか」といった懸念が報道されています。
このあたりは、Roborockだけでなく、Xiaomiや他の中国スマート家電メーカーもまとめて議論されている状況です。
過去に指摘された脆弱性と、Roborock側の対応
Roborockの一部製品では、IoTプラットフォーム「Tuya」ライブラリに関する脆弱性が指摘され、同社は乱数生成の改善などを行ったOTAアップデートで対応したことを公表しています。
さらに2023年には、「Roborock Vulnerability Disclosure Policy」という脆弱性開示ポリシーを公開し、
- ロボット掃除機本体・アプリ・サーバーを含む対象範囲
- 研究者からの報告窓口
- ユーザーへの通知や修正パッチの提供方針
などを明文化しています。
これは他社でも見られる「大手IoTメーカーとしては、いまどき標準的な対応」と言えます。
一般ユーザーが気をつけるべきポイント(Roborockに限らず)
ここが一番大事なところで、「Roborockを買う=即アウト」では決してないのですが、以下のような自衛策は取っておいた方が安心です。
- アプリの権限(カメラ・マイク・位置情報など)を、本当に必要なものだけに絞る
- Wi-Fiは、可能ならIoT用のゲストネットワークを用意して分離する
- 初期パスワードは必ず変更し、2段階認証があれば有効にする
- ファームウェアやアプリの更新は、面倒でもちゃんと適用する
- カメラ付きモデルが不安なら、カメラなしモデルやマッピング情報の共有を最小限にする設定を選ぶ
Roborockを選ぶべき人/やめた方がいい人
こんな人は“Roborock向き”かも
・毎日の掃除機がつらくて、「床掃除をほぼ自動化したい」と本気で思っている人
・間取りがやや複雑で、マッピング精度や障害物回避性能を重視したい人
・床拭き・ごみ収集・タンク洗浄まで、オールインワンの基地で完結させたい人
・Apple HomeやMatterなど、スマートホーム連携を前提にロボット掃除機を選びたい人
・中国メーカーへの不安があまりなく、「性能が高いロボット掃除機が欲しい」と思っている人
・中国メーカーへの心理的ハードルはあるが、自分でネットワーク分離・設定管理をやる気はある人
逆に、Roborockをあまりおすすめしない人
・「1円でも安く」「とにかくコスト最優先」で選びたい人
・中国メーカー製のスマート家電に、どうしても心理的抵抗がある人
・Wi-Fi設定やアプリの権限管理などが「正直不安な」人
・そもそもカメラ付き家電を家に入れたくない人(MaxV系・Saros系などは特に)
・すでにルンバや国内メーカーの上位モデルを使っていて、特に不満がない人
まとめ:Roborockってどこの国?怪しいメーカー?
以上がRoborockという会社と、安全性・品質・評判についてのざっくり解説でした。
最後に要点をまとめます!
【Q. Roborockはどこの国の会社?】
・中国・北京市に本社を置くロボット掃除機メーカー
・2014年創業の比較的新しい企業だが、ロボット掃除機分野では世界的プレイヤーの一つ
【Q. Xiaomiとの関係は?】
・設立当初はXiaomiのエコシステム企業として、Mi Homeブランド向けロボット掃除機を手がけてきた
・現在は独立上場企業だが、Xiaomi系ファンドが主要株主の一角になっている
【Q. どんな会社・ブランド?】
・ロボット掃除機/モップ/床洗浄機など、床掃除のスマート化に特化したブランド
・Apple Home/Matter対応や高度なマッピングなど、技術寄りの強みがある
【E. メリット】
・掃除性能・マッピング精度・自動化レベルが高く、家事の負担軽減効果が大きい
・スマートホーム連携を前提にした設計で、iPhone勢とも相性がいい
・激安ノーブランドに比べれば、上場企業としての規模・実績・ポリシーがある
【E. 気になる点】
・本社が中国で、データも中国本社を含むグループに共有されうる構造
・カメラ・マイク付きモデルでは、家の中の様子がクラウドに送信される可能性への不安が残る
・Tuyaクラウド等での脆弱性が過去に報告されたこともあり、アップデート前提で使う必要がある
【Q. 結局どう選べばいい?】
1. まず自分の「許容できるリスク」と「掃除をどこまで自動化したいか」を整理する
2. 「掃除の手間を本気で減らしたい」→ Roborockは十分“買い”候補
3. 「とにかく中国製はNG」→ ルンバや国内メーカーを含めて再検討
4. カメラ付きモデルを選ぶ場合は、ネットワーク分離・権限管理・アップデートをサボらない
Roborockのおすすめ機種(ざっくりジャンル別)
① ハイエンド全部入り:Sシリーズ/Sarosシリーズ
- ごみ収集・モップ洗浄・給水・乾燥まで全部入りのオールインワン基地
- AIカメラで障害物認識&高精度マッピング、「とにかく掃除を任せたい」人向け
- 価格はかなり高いが、「家事の外注費」と考えられるならアリ
② コスパ重視の中上位:Qシリーズ
- 自動ごみ収集・モップ機能など、必要な機能は押さえつつ価格を抑えたライン
- 「最上位まではいらないけど、ちゃんとしたロボット掃除機が欲しい」人向け
- 初めてのRoborock入門としてもバランスが良いゾーン
③ 床拭き・水回り特化:Dyadシリーズなどの床洗浄機
- ロボット掃除機+スティック型床洗浄機の組み合わせで、フローリングを徹底的にきれいにしたい人向け
- 水拭き・吸水・自動クリーニングなど、「モップ掛けの自動化」をしたいときの選択肢
④ ロボット芝刈り機:RockMowシリーズ(庭がある人向け)
- IFA 2025で発表されたRoborockのロボット芝刈り機
- 広めの芝生を定期的に刈る必要がある家庭・別荘向け
よくある質問(FAQ)
Q1. Roborockはどこの国の会社ですか?
A. 中国・北京市に本社を置くロボット掃除機メーカーです。2014年に設立され、ロボット掃除機や床洗浄機などのスマート掃除家電を世界各国で販売しています。
Q2. Roborock製品はどこの国で生産されていますか?
A. 本社は中国ですが、製造は主に中国国内の工場を中心に行われています。モデルによっては他地域のEMS工場が関わる可能性もあり、パッケージの原産国表記(Made in Chinaなど)で確認できます。
Q3. Xiaomi(シャオミ)との関係は?
A. 創業当初からXiaomiの支援を受け、Mi Homeブランド向けロボット掃除機の開発・製造を担ってきました。現在はRoborockブランドで独立上場していますが、Xiaomi系ファンドが主要株主の一角となっています。
Q4. Roborockは怪しいメーカーではない?
A. 上海証券取引所の科創板に上場しており、「謎の激安ノーブランド」とは立ち位置が異なります。ただし、中国本社のIoTメーカーであることから、プライバシーやデータの取り扱いについては各国で議論の対象にもなっています。
Q5. カメラ付きモデルは危険ですか?
A. 「今すぐ捨てないと危険」というレベルではありませんが、カメラ映像や部屋のマップ情報がクラウド経由で送信される可能性がある以上、
・必要以上に権限を与えない
・ネットワークを分離する
・最新のファームウェアを適用する
といった自衛は必要です。不安が強い場合は、カメラなしモデルを選ぶのも一つの手です。
Q6. iRobot(ルンバ)とRoborockならどっちがいい?
A.
・ブランドへの信頼感・サポート重視 → ルンバ優勢
・マッピング精度・自動化・価格バランス → Roborockも強力な選択肢
・中国メーカーに抵抗がある場合 → ルンバ/国内メーカー
といった住み分けになりがちです。「どちらが絶対上」というより、価値観と予算次第です。
Q7. Roborockのロボット掃除機は壊れやすいですか?
A. 特別「壊れやすい」というデータはありませんが、消耗品(ブラシ・フィルター・モップ・パッキンなど)は定期交換が前提です。水回り(タンクやホース)のメンテナンスをサボると、カビや詰まりでトラブルの原因になりがちなので、定期的なお手入れは必要です。
Q8. 個人情報やプライバシーは大丈夫?
A. Roborockはプライバシーポリシーを公開し、データの収集・利用・共有について記載していますが、中国本社の企業である以上、「絶対に安心」と言い切ることはできません。
そのため、どこまでの情報を預けるかを自分で決めることと、ネットワーク分離や権限管理などの自衛策が重要になります。
Q9. 初めてのロボット掃除機としてRoborockはアリ?
A. 「多少高くても、掃除を本気で自動化したい」という人には十分アリです。
一方で、「まずはロボット掃除機とはどんなものか試してみたい」「中国メーカーへの抵抗が強い」という場合は、もう少し安価なモデルやルンバ入門機から試すのも選択肢です。
Q10. 中古や型落ちのRoborockを買うのは危険ですか?
A. 中古だから即危険というわけではありませんが、サポート終了モデル+古いファームウェアという条件が重なると、セキュリティリスクは上がります。
どうしても中古を選ぶ場合は、
・サポート状況を事前に確認する
・購入後すぐにファームウェアを最新にする
・可能ならIoT用の別ネットワークに隔離する
といった点に気をつけた方が安全です。


